【海外育児事情】日本の子育てが海外より大変だなと感じる3つのこと

私は夫、2人の子どもと海外生活をしています。
日本に一時帰国すると友人や親戚は「海外生活は大変だろう」と苦労を労ってくれます。

確かに、いろんな面で大変なことはあるのですが、実は「子どもが小さいうちは海外生活でよかった」と思うこともたくさんあるんです。なので、今回は私が感じた日本の子育ての大変さについて書いてみたいと思います。

1.子ども至上主義ニッポン

日本では子どもを預けて親が出かけるということは、とてもハードルが高いと感じます。
特に、娯楽のために大人だけで出かけるということを、よく思わない人が多いように感じます。

食事から寝かしつけまで他人に任せることが普通という国もある

ヨーロッパでは、赤ちゃんの頃から、おじいちゃん、おばあちゃん、シッターに子ども達を預けて両親がリフレッシュすることはよくあることです。
リゾート地などにも、滞在中預けられる託児所がついていて、食事から寝かしつけまでホテルスタッフにお願いする場合もあります。

出典:写真AC

 

大人はお酒を楽しみにバー繰り出している間、預けられた子どもたちはプールで泳いだり、保育士とお遊戯をしたりします。
食事や寝かしつけまで面倒をみてくれるところもあるんですよ。それぞれの行動に無理に付き合わなくてすむので、親も子も満足度が高くなりますね。

日本だとこんなことをするとよっぽどのセレブか育児放棄か…と受け取られる気がしますが…どうでしょう?

日本では親の時間は子どものもの?

日本では、親の自由な時間はすべて子どものために使って当たり前、という価値観があります。
特に、3歳までにどれだけ手をかけるかがその後の人格形成に大きな影響を与えるという「三歳児神話」が、いまだにまかり通っていますよね。

私は親戚に「海外生活で専業主婦だと小さいうちにしっかり関われていいわね。小さいうちはママが一緒にいるのが1番だからね。」と毎回言われてちょっと辟易しています。
きっとプラスの意味で言ってくれているとわかっているのですが、暗に「母親は社会に出て働くよりも、子育てを優先しなさい。」という考えが潜んでいる気がして、素直に受け取れない自分がいるのです。

親になったら子どもにずっと尽くすべき…と考えてしまうと、子育ては時として息苦しいものになってしまいますよね。
海外のほうが幼いうちから親も子も、「個」として尊重されている気がします。

2.みんな一緒が大好きな日本人

娘たちが学校に行くようになり、日本と海外の違いに驚くことが多々あります。

私はヨーロッパとアフリカで生活したことがありますが、どちらの学校でもその学年の目標に達していなければ留年は当たり前です。
みんな一緒に学年が上がっていくことよりも、ちゃんと学習内容を理解することを重要視しています。

出典:写真AC

 

逆にしっかりできる子であれば飛び級も可能。
長女はインターナショナルスクールに入学したとき、4歳だったのですが現地語がわからない状態だったので最初は1番小さな3歳児クラスに入りました。

そこで半年ほど経ち、先生の言っていることがなんとなくわかるようになったと判断され、通常の4歳児クラスに移ることになりました。
現在長女は6歳児クラス=小学1年生なのですが、午前中の授業はみんな必須で、午後からは宿題や補習を受ける時間となっています。

午後からは習い事をする子や家の手伝いをする子もいるので、自由登校です。
我が家の場合は先生に丁寧に宿題を見てもらうほうがいいだろうという判断で、午後からも友達と一緒に勉強することを選びました。
宿題をやり終えた後は友達と遊ぶ時間に充てられるそうで、午後からも楽しんで学校に行っています。

日本の学校では宿題を大量に持ち帰る…という話を聞くので親子ともに大変ですよね…。
学校に加えて塾に通う子もいると聞くと、海外在住組はちょっと焦るのですが、その子の能力に応じて学校側がサポートしてくれる体制は、日本よりも進んでいる国が多いのではないかと思います。

3.孤育てになりやすい環境

日本の場合、
「子どもが小さいうちは外出しないほうがよい」
という空気を感じませんか?

手助けしてくれる人がおらず、やむをえず買い物に出かけるだけでも
「こんなに小さな子を外に連れ出すなんて…」
と、事情も知らない他人が眉をひそめられたことがあります。

長女が赤ちゃんの時期を過ごしたヨーロッパのとある国では、児童館で生後5日の赤ちゃんに出会いました。

そのお母さんは
「家にじっとしていてもつまらないし、上の子が他の人と関わることも大事だから一緒に連れてきている。保育士もいてくれて相談することもできて助かる」
と、おっしゃっていました。

このようにヨーロッパでは、新生児を連れて出かけることをためらう必要はないという考え方が一般的です。バスの中で赤ちゃんが泣けば、みんながあやしてくれるし、重い荷物を持っていれば手助けしてくれます。
社会全体で子育て世代を温かく見守っている感じがとても心地よかったです。

出典:写真AC

 

一方、日本ではただでさえ核家族なのに、父親の帰りが遅いことが多いですよね。
1日中出かけることもなく、パートナーもほぼ家にいないとなると完全なる孤育てになってしまいます。

我が家の場合、まだ日本に住んでいたときに、夫の帰りが深夜の3時~4時という時期がありました。

海外赴任してからは、帰宅時間は遅くとも20時くらいで毎日子どもたちと顔を合わせることができます。
でも、実はこの時間でも現地の人たちから見れば遅い方なんです。

ヨーロッパの企業はフレックスタイム制を導入しているところが多く、出勤時間を早めたり、昼の休憩を短めに設定したりして帰宅を18時くらいにすることができます。
そうすると子どもと一緒に夕食をとったり、お風呂に入ることができるのです。日本も生活スタイルに合わせた働き方が選択できるようになるといいのになあと思います。

こうやって海外での子育てに慣れてしまった私は、いつか帰国することになった場合、日本での子育てに息苦しさを感じてしまいそうです。
ずっと日本で子育てをしているお母さんたち、本当によく頑張っているなと尊敬します。

ただ、日本人が当たり前と思っている価値観や子育ての美学が、すべて正しいとは限りません。
子どもも大切、でも私も同じように大切…。

日本もお母さんと子どもがそれぞれ自分を大切に、のびのびと子育てできるような国になっていけばいいなと思います。

ライター めりーまま
海外と日本を行ったり来たり。5歳と3歳の姉妹を育てています。



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