【ママ友小説】私は幸せ~優しい旦那とかわいい娘との幸せな生活はお受験を境に一変する

【幼稚園のママ友トラブル~ママ友カースト第1話】

「友美さんって、ほんと、八方美人よね」

ーどうしてこんな事になってしまったの。もっと楽しい幼稚園生活を送るはずだった……。
どこから間違ったんだろう。
「まま?ゆいちゃんが一緒に遊んでくれないの。ゆいちゃんのままが、梨華ちゃんとはもう遊んじゃだめって言ったんだって。」
……子供まで巻き込むなんて。最低じゃない。親にもなって。
「ごめんね、梨華。ママのせいだね……。」
涙が出てくる。私のせいで、この子まで嫌な思いをするなんて。これから、どうしよう。



かわいい娘と優しい旦那!とても幸せな毎日を送っていた私

私は、幸せだと思う。ううん、とても幸せ。
優しい旦那さんに、かわいい娘。
新築マンションを購入して、順風満帆な生活を送れている。

「今日は、5時には会社出れるから。夕飯の支度手伝うからね。」
「ありがとう。気をつけてね!いってらっしゃい。」

笑顔で手を振って自宅を出て行った旦那とは、出会って11年。高校時代の同級生だ。

「高橋ー!宿題見せてよ」
「一ノ瀬くん、また宿題やってないの?」
「頼むよ~」
「嫌だよ!自分でやって!」

ずっと友達同士だった。でも私はひそかに、ずっと旦那に片思いしていた。

違う人と付き合ったりもしたけど、旦那のことがいつも心から離れなかった。
だから、卒業式の時に告白しようと決めた。
振られても、どうせ進路は別々だから気まずくならない。後悔しないように、告白しよう。
卒業式が終わって、教室に向かう時だった。
「高橋。ちょっといい?」
一ノ瀬くんに呼び止められ、告白された。

それから、7年。私たちは、結婚した。
私は、一ノ瀬友美になった。

いまだに、卒業式の事を旦那に話す。
「本当にうれしかったんだよ!私が告白しようと思ってたんだから!」
「分かったよ。もう何十回も聞いたよ。」
旦那は優しくほほえむ。私は幸せだった。

結婚して1年、愛娘が産まれた。

「梨華は天使だね。本当にかわいいね。」
真顔で真剣にこんなセリフを言えてしまう程、娘はかわいい。本当に、私たちの天使だ。

私は、初めての育児に戸惑った。
産後の自由の効かない体、ホルモンバランスの乱れ。それに加えて頻回の授乳、夜泣き、慣れないオムツ替え。子供ははかわいいばかりじゃない、育児は本当に大変なんだと知った。

それでも、梨華の可愛さで大変な思いが全て帳消しになっていった。
旦那も積極的に子育てに参加してくれた。

「仕事で疲れているのに、ありがとう」
「俺だって、梨華の父親なんだから当たり前だよ」

ネットで見ると、子育てに関して何もしないという父親が多い。
けれど、うちの旦那は違う。

オムツを替えたり、寝かしつけをしてくれたり、お風呂に入れてくれたり。
全て上手とは言えないけれど、とても愛情がこもっていて、私はうれしかった。

「友美、ちょっと休んだら?梨華も寝たから、このまま抱っこしてるよ」
「ありがとう・・!じゃあ、ちょっと横になってるね」

その時だった。ピンポーン!ピンポーン!
「……誰?もう夜の8時だよ?」
インターホンを見ると、義母が映っていた。

連絡なしに訪問してくる非常識な義母にイライラ

「お義母さん!こんな時間にどうしたんですか?」
「ちょっと梨華ちゃんにお土産持ってきたの!上がるわね~」
そう言って、どかどかと家に上がり込んで行った。

ちょっと……急に来るなんて。非常識じゃないの?私、今部屋着だし、部屋も片付いていないし。

「おい、母さん!急に来るなよ。普通連絡くらいするだろ?」
旦那は、そう言いながらもにこやかだ。

「いやー、かわいいお洋服を見つけちゃって!買ってきたからすぐに渡したくって~!梨華ちゃーん!」
そう言って大声を出して梨華を起こし、旦那から梨華を奪い取る。

「ふええぇぇーん」
「あらあら起きちゃったの?おっぱいじゃない?あらあら、かわいそうに~」

出産して、ホルモンバランスが悪いからだろうか?最近、お義母さんに対してイライラする。あんなに大きな声を出して騒げば起きるに決まっているのに!

「おっぱいあげて寝たばかりなので」
私はそう言って、梨華を抱き上げあやす。

この日から、お義母さんは時々家にやってきた。毎回連絡もなしにいきなり。
いつも洋服やらおもちゃやら、何かしら持ってやってくる。いきなり家に来られるのは、正直迷惑だ。どうして連絡一本よこせないのか。

でも、梨華にいろいろ買ってきてくれる。孫が可愛くて仕方がないのだろう。
お義母さんも、悪い人ではない。受け止めよう。そう自分に言い聞かせた。

ピンポーン!そして、またいきなりやってくる。
お義母さんが帰った後、旦那に伝えた。

「お義母さんに、来る時に連絡をするように言ってくれない?いつもいきなりだから、何も準備できてないし……。」
「うーん。言っても多分連絡しないよ!思いついていきなり行動するひとつだから」

これだ。旦那はお義母さんの味方だから、説得するよう言っても仕方がない。諦めるしかないか。
お義母さんは旦那の事も可愛くて仕方がないから、旦那のいる夜にしか家にやってこない。私は、時々会話に入りつつお義母さんの相手は旦那に任せていた。



我が子の成長は育児を頑張った証

梨華はすくすくと成長していった。梨華の『初めて』を私は全部見届けた。
初めての寝返り、離乳食、おすわり、はいはい、つかまり立ち、立っち。

どれもこれも、目頭が熱くなるほど感動した。子供が与えてくれる感動はこれほどまでに強くて、私も母親として成長できた気がした。

普段当たり前にこなしている育児を、娘自身が評価してくれているようだった。
私は母親だから、育児をするのが当たり前だ。当たり前だからこそ、誰からも褒めてはもらえないし、感謝もされない。

毎日続くこの【当たり前の日常】が、時々つらい事がある。
ゆっくりご飯が食べられない事、まとまって睡眠がとれない事、自由に外出できない事、常に子供の事を考えて行動しなければいけない事。

幸せだけど、時々しんどい事。でも私たち母親は自分を奮い立たせて、この【当たり前の日常】をこなしていく。だから、子供の成長が何よりもうれしい。子供の成長が、私の頑張った証だから。

こんな、子育ての喜びを旦那と分かり合えるのもうれしかった。旦那は、時々だけど私をねぎらう言葉をかけてくれる。
旦那に母親の大変さは理解してもらえなくても、私を気にかけてくれるだけで救われたし、うれしかった。私たちも、夫婦としての絆が強くなっていった気がした。

義母のすすめで私立幼稚園のお受験を決めたが

梨華が2歳を迎える頃、お義母さんが言い出した。

「梨華ちゃん、幼稚園のお受験させたら?」
「えっ?お受験ですか?幼稚園を?」
「ほら!あの幼稚園、大学までエスカレーター式だから一度入ってしまえば、後は楽よ~」

考えてもみなかった。幼稚園でお受験するなんて。でも、いいかもしれない。

「お受験いいんじゃない~?」
旦那はお気楽だ。私がよく考えよう。

それから、幼稚園の事を調べた。
教育内容や、教育方針、お金の事など。

やっぱり、私立の幼稚園はいろいろと高い。
入園費に、教材、制服、後援会代など。

我が家は、結婚と同時に新築マンションを購入したばかり。けれど、幸いにも私立幼稚園の月謝を払う余裕はある。
教育面も、さすがは私立。すごくしっかりしている。お勉強だけではなく、運動にも力をいれているし、女の子は茶道の授業もあるみたい!

この幼稚園に入れたら、梨華は安泰かもしれない!!
私は、お義母さんに乗せられて幼稚園のお受験をすることに決めた。

「お受験するの?それが良いわよ~!頑張ってねぇ!」
今思えば、お義母さんは自分の孫は有名な幼稚園に通っているという事を、周りに言いふらしたかっただけなんじゃないかと思う。

でも私は、ただただ梨華のためだと思い、お受験を決意した。
しかし、幼稚園選びはここから間違っていたのかもしれない……。

この決断が私の幸せな生活を壊していく事になるなんて、この時は思いもしなかった。
幼稚園への期待や希望で胸がいっぱいだった。
その一方で、これから待ち構えるお勉強の毎日や、本当に梨華にとってお受験が必要なのかどうか迷う日々でもあった。

次回は来週公開【第2話・お受験は必要?~自分と同じ苦労をさせたくないという義母の気持ち】
ライター O. 2児の母です



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