
アメリカ人の主人との間に生まれた2人の子供は、バイリンガルで成長しています。
まだ、5歳と7歳ですが、言語の面だけ取り上げてもここにたどり着くまでには長い道のりだった気がします。
そんなバイリンガル教育のために、私が工夫したことをご紹介します。
バイリンガル教育で初めに直面する問題
子供は2人とも日本で生まれ、家庭内ではアメリカ人の父親と日本人の母親が英語で会話する環境で育ちました。
周りの子は、1歳後半や2歳頃から意思疎通ができるような言葉を話し始めるのに対し、長女は言葉をしゃべれるようになるまでがとても遅く、市の3歳児健診では、二語文がうまく使えていないことから、言葉の遅れを指摘されました。
出典:ぱくたそ
その際に受けたアドバイスは、「今後生活の拠点がアメリカになることが決まっているのであれば、今は日本語を教えることはあきらめて、インターナショナルスクールに通わせるなどして英語だけで育てたほうがよい」とのことでした。
「海外での子育てならともかく、日本にいながら英語のみの生活を強いるなんて」とその言葉にとてもショックを受けたことを今でも覚えています。
しかし、「日本に住んでいられるのは、きっとあと数年。
今、日本語を覚えなければおじいちゃんやおばあちゃん(私の両親)との日本語での会話もできなくなってしまう。」という焦りもありました。
言語をしっかり覚えるために努力したこと
私の周りで多かったのが、母国語が英語の父親と、母国語が日本語の母親を持ち、家族全員の共通言語が英語、そしてインターナショナルスクールなどに通い、学校でも英語の環境で育つ子は、母親が話す日本語の意味は理解できるけど、でも答えは英語といった子供が多くいました。
日本に住んでいても、このように徹底した環境であれば、英語の習得ももちろん早いはずです。
しかし、我が家では日本の幼稚園に通わせ、『一親一言語』(親が子供に対し母国語のみで話すこと)を徹底していました。
バイリンガルに育てるにあたり、この『一親一言語』がとても重要だと考えたからです。
私の英語の発音を子供の耳に残すよりは、もちろんネイティブスピーカーの主人の発音を吸収した方がいいですし、主人が英語なまりで話す日本語も吸収力のすごい子供にはそのまま残ります。
出典:ぱくたそ
そして、幼稚園に通い始めてからは、環境の影響もあって言葉がスラスラと出てくるようになり、当時、長女の第一言語は日本語になりました。
第二子の息子は比較的、話し始めも早かったのですが、第一言語が英語で、私が日本語で質問しても英語で返答と言う事もありました。
それでも、あきらめずにひたすら日本語で話しかけました。
結局、息子も幼稚園に通うようになり、急に日本語が上手になりました。
英語に触れるのに役立ったもの
英語の子供向けのタブレットや、おもちゃ、iPadなどにお世話になりました。
なかでも一番英語を覚えるのに役立ったのが、テレビです。
子供は、二人とも朝のNHK教育テレビの子供向け番組と夕方の再放送を見るのが日課の幼児期だったのですが、上の子が5歳くらいの頃からケーブルテレビで見るアメリカの子供向けのテレビ番組やアニメ、映画に興味を持ち、日本のテレビを見なくなってしまいました。
しかし、この頃から日本語のほうが得意で、父親との英語での会話もたどたどしかった娘のヒアリング力が嘘のように上達しました。
楽しみながら上達する、理想の習得法だったと思います。
2か国語を話すようになった子供の現在
子供が、会話ができるようになってから話す言語は、父親とは英語、母親の私とは日本語、家族での会話は英語、兄弟間では英語です。
出典:写真AC
現在、アメリカに住んでいますが、子供は初対面であれば相手の様子を一瞬うかがい、日本語で話せるとわかると日本語スイッチに切り替え話しています。
相変わらず英語のほうが得意な息子は、渡米後1カ月ほどで私にも英語で話しかけてくるようになりましたが、私は日本語で受け答えするようにしています。
最後に、このまま日本語を忘れずにいてほしく、時々ビデオ通話する日本にいるおじいちゃんとおばあちゃんとも、ずっと日本語で話せるようにいてほしいなと思っています。
ライター あおば
毎日笑顔を忘れずに子育て中。