
日本の芸能人ママが子どもの教育のために海外生活を選択する、という話を最近よく聞くようになりました。
紗栄子さんはお子さんのためにロンドンに拠点を移し、梨花さんはハワイでお受験ママを頑張ったとか。よりよい環境を求めて行動できるのは素直にすごいことだなと思います。
私は夫の仕事の都合で、どちらかというと受動的に海外子育てをすることになりました。
子どもたちにとってよりよい環境を整えてあげたいと思っていますが、私自身が海外生活に消極的なもので家族には迷惑をかけてばかりです。
長女が小学生、次女が年少になった現在、海外子育て6年目でもまだ感じる大変さを振り返ってみたいと思います。
1. 言葉の壁
まず、1番に感じるのは言葉の壁です。
先生とのやりとりは基本的に現地の言葉なので、せめて英語で話してくれる先生に訳を頼むのが毎回手間です。
それに、せっかく話しかけてくれるママ友や子どもの友達が話しかけてくれるのに、返せる言葉の語彙力のなさに我ながらがっかりします。
一応、自己流で語学学習はしてみるものの、言われていることは何となくわかっても返せない自分に自己嫌悪の日々です。
子どもたちは言葉がわからなくとも楽しんで学校に行ってくれているので、母も諦めずに努力せねば!
2. 文化の壁
海外の学校では学期末にパーティーがありみんなにおやつを配るという習慣があることを初めて知りました。
最初の1年間、娘はもらってくるばかりだったので、ちょっと申し訳ないことをしたなと反省…。
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また、日本ではお誕生会といえば周りが準備するものではないでしょうか?
欧米だとお誕生会の主役がゲストをもてなす日です。誕生日を迎えた本人は学校にクラスの人数分のケーキやジュースを持参し、みんなに祝ってもらいます。
親にとってはなかなかプレッシャーを感じる1日ですが、「誕生日パーティー最高だった!ママのケーキおいしかったよ」と言われると頑張ってよかったなぁと思います。
3. 予防接種の違い
保育園や学校に行かせるためには予防接種履歴の提出が求められます。
日本とは1度に打つ薬品の量や、必要な種類が異なるためなかなか苦労しました。
ただ、日本だと単独で打つワクチンが海外では6種混合や3種混合など、ひとまとめになっているものもあり、結果として針を刺す回数は減るので子どもの負担が減ってよかった面もあります。
また海外で生活するうえで地域特有の予防接種を受ける必要もあったので、予防接種スケジュールには気を遣いました。
日本だと公費で受けられる予防接種も、海外だと自分で薬局に買いに行き、医師に予約を取って接種するので費用もバカになりません。
私はできるだけ、一時帰国のときに定期予防接種を受けるようにしました。
4. 家庭での日本語教育
長く日本を離れていると、母国語である日本語の習得が遅くなると言われます。話す相手が家族だけの場合は特にそうです。
なので、意識して日本人に会う機会を設けたり、絵本の読み聞かせをしたりして、日本語と親しむ時間を増やすようにしています。
幸いうちの姉妹は本を読むことが大好きになってくれたので、今は長女が次女に読み聞かせをしてくれるようになり、私は間違った個所を手助けするだけでよくなりました。
そういえば小学校低学年のときは音読の宿題があったなーなんて思いながら、母は手抜きさせてもらっています。
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現在、長女は日本でいえば年長さんです。
いずれ日本で学校に通う日が来るだろうと思われるので、日本の通信教育をとり、家庭学習の指針にしています。「こどもチャレンジ」や「ドラゼミ」はキャラクターもかわいらしく、日本人ママの愛用者が多いです。
また、アニメのDVDも日本語習得に効果的です。
自分の興味のあるものはやはり頭に入りやすいようで、どこでそんな言葉覚えたの?とびっくりするようなことを言い出します。
そんなときは、たいていアニメの影響なんですよね~。すぐに真似しちゃうので、自分も日本語の言葉遣いを意識しなければと身につまされる思いです。
5. 一時帰国時の行政手続き
さて、海外在住者にとって1番楽しみなのが一時帰国です。
この休暇があるからこそ、海外駐在をがんばれるのです。そんな一時帰国の際に住民票を入れるかどうかは個人の判断に任されます。
私は面倒であっても住民票を入れる派です。
短期間であれ、その街に滞在するのだから住民票をおいておけば様々な行政サービスが受けられます。先ほど書いた予防接種も住民票がなければ実費負担となりますし、地域の方優先だからと予防接種の予約さえできない病院がありました。
さらに、私の実家がある自治体では乳幼児医療証を発行してくれるので、子どもたちは無料で病院に行くことができます。
海外在住とはいえ、日本国民であることは間違いないのでこの恩恵を受けない手はありません。
また、日本の保育園にも慣れて欲しいと思い一時保育を利用したこともあります。
今後は長女が就学時期にあたるので、一時帰国中は日本の小学校に通う手続きが必要になります。
私の実家はかなり田舎なので、海外からの転入作業に慣れておらず毎回かなりの時間を要します。
はっきり言って、行政手続きはかなり面倒です。しかし、子どもたちのためにも怠ってはならない親の義務だと思っています。
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海外で子育てをしていると、日本との違いに困惑したり逆にその国のよいところを発見したり、驚きの連続です。
日々の暮らしのサポートに加え、日本人であるというアイデンティティを確立するのが海外で子育てをする親の使命だと私は考えています。
どんな場所で暮らしていても、家庭が一番自分らしく、リラックスできる場所に整えておきたいのです。
子どもにできる限りよい環境を与えてあげたいと願うのは、みんな同じだと感じます。
海外子育てをしているママは、いずれ日本の社会に戻ることも想定して頑張っていますが、子どもたちは帰国子女であるがゆえにちょっとズレたところがあるかもしれません。
そんなときはどうぞお手柔らかにお願いしますね。
ライター めりーまま
海外と日本を行ったり来たり。5歳と3歳の姉妹を育てています。